暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】









「お妃様…………外への外出は極力なさらないで下さいませ」


「そうですわ。物騒な手紙が届き警備も増やされたとは言え、油断は禁物なのですから」



あれから数日。

私宛てに変な手紙が一通届いた。


『お妃の命が危ない。何者かに狙われている』


それは私に忠告する内容で、そんな物騒な出来事は直ぐ様陛下の耳へ入ることとなったのだが……………、



無駄に沢山の兵士が配属されてしまった。


こんなにいらないのに……。



「お妃様。どうか…………お部屋の中に居てくださいね……」


「そんな顔しなくても大丈夫よ。あれはイタズラでしたのかもしれないし」


こんな物騒な出来事の中、リリアンが無事に顔を見せてくれるようになったのはとても嬉しい出来事で、


あまり私自身はそこまで危険視していなかった。


イタズラだと思っていた事もあるが、こんなに兵士がいるのだからまず起こらない。


そう考えるのが何となく普通に思っていた。