暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




私はひと呼吸おくとステラ様と目を合わす。


「な、何よ………!」


先程まで黙っていた私が急に面を上げ向き合った事に対し、ステラ様達は少し動揺する。


「ステラ様。無能ながら思うのですが、手に持たれているワイングラス………どこのメーカーですか?」


私はステラ様が片手に持たれている金色ベースにピンク色花の絵柄が繊細に描かれているワイングラスに目を向けた。


「それぐらいも分からないのですか?(笑)やはり貴女は無能のようね」

その顔はいかにも馬鹿にしたような感じで、明らかに見下している。


「これはね、有名な商人が宮殿へ訪れたときに一目惚れをして買ったワイングラスなのよ!これ一つで結構な額がするけれど……………貴女にはそんな価値分からないわよね?(笑)」