「先程いなかった奴が顔を出してきてるな。少し言葉を交わせして来ようと思うが、その辺の料理を食べて待ってくれぬか?」
チラッ……と陛下の目線の先を見てみると、そこには陛下と同じく威厳ある方が皆に囲まれているのが見えた。
恐らくどこかの王様なのだろう。
明らかに雰囲気が違う。
「分かりました!」
「…………一緒に連れて行くべきか。先程あの様な事があり、無駄に絡まれることはもう無いとは思うが……宮殿の事を考えるとやはり一人で居させるのはやはり不安だ」
確かに一人でいるのは少し不安だけど、さっきあの様な事があって、下手に話しかけてくる人なんてそもそもいないと思う。
それにこの宮殿に入ってきた時も思ったが、警備は厳重でセキュリティーもしっかりしている。
変な人が侵入出来るとは到底思えない。
「お気になさらないでください!私はあの立食所でお食事を楽しみながら待っております」
「あぁ」
私が付いて行っても邪魔になるだけだし、それなら待ってた方がいいよね。



