暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




「先程いなかった奴が顔を出してきてるな。少し言葉を交わせして来ようと思うが、その辺の料理を食べて待ってくれぬか?」


チラッ……と陛下の目線の先を見てみると、そこには陛下と同じく威厳ある方が皆に囲まれているのが見えた。


恐らくどこかの王様なのだろう。


明らかに雰囲気が違う。



「分かりました!」


「…………一緒に連れて行くべきか。先程あの様な事があり、無駄に絡まれることはもう無いとは思うが……宮殿の事を考えるとやはり一人で居させるのはやはり不安だ」


確かに一人でいるのは少し不安だけど、さっきあの様な事があって、下手に話しかけてくる人なんてそもそもいないと思う。


それにこの宮殿に入ってきた時も思ったが、警備は厳重でセキュリティーもしっかりしている。



変な人が侵入出来るとは到底思えない。


「お気になさらないでください!私はあの立食所でお食事を楽しみながら待っております」


「あぁ」


私が付いて行っても邪魔になるだけだし、それなら待ってた方がいいよね。