暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




本当に国一つ攻め落としそうな雰囲気に思わず表情が強張る。


「も、申し訳ございませんでした…………っ!!!」


ステラ王女は頭を深く下げると、そそくさと退散していった。


仮に私がステラ王女の立場ならば、既に失神してる。

逃げる気力があるだけまだスゴい。


「陛下………何もあの様に脅さなくても?」


「許可なく軽々しく余の体に触るなど他国の女であろうと無礼極まりない」


「そうですけども………………」 


まぁ、死罪になっていないだけでまだマシか………。


……………ってあれ?もしかして何だか感覚おかしくない!!?


ずっと何かしら命を奪う陛下ばかり、使用人のとき見ていたので、


殺さないというのかやけに珍しく感じる。


十分に有り難いのだけど…………………。