暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




「宜しければあちらのテラスで私(わたくし)とご一緒に夜空を眺めながらお話致しませんか?」


サラッと陛下の横に立ち、テラスへ誘おうと腕組みをする。


そのときにステラ王女と目があった。



「あら…………………貴女はどちら様?」


上から下まで舐め回した後、陛下の時とはまるで違い、


人を下に見るような目で私を見てきた。



なんか失礼なんじゃない?…………って思ったが、ここは一つ笑顔で対抗する。


「私はアニと申します。王女様にご挨拶申し上げます」


ドレスの裾を持って軽くお辞儀をする。


顔を下げてても分かるぐらいに、その視線は鋭かった。