「守るって……………私をですか?」
「他に誰がいるのだ」
いつもなら……と言うより、絶対に言わないであろう言葉に私は驚きを隠せない。
陛下が私を守る?
私が陛下を守るの間違いなんじゃ?
視線を変えて陛下をもう一度見てみたが、
冗談を言っているようにはとても見えない。
「そなたは会ったときからやたら危なかっしい。余の側に居てもらうには余が守らねば、そなたなどあっという間に死んでしまいそうだ」
…………………だから宮殿に入ったと言うに。
客人として入った途端、いきなり危なくなるんだから私の方こそ困ってる!
黒髪。力。
そんなものが無ければ、気にせずに普通の女の子として、普通の生活を送れたというのにね。
なぜ、私が家系で代々生まれてくる黒髪の子なのだろう。
力を持った子なのだろう。
力は言わなきゃバレないが髪色は自分を偽り隠し通さなければ、バレてしまう。
あの判断ミスで結果的に私はここにいるわけだし。



