暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




______ガラガラ………。



透明のガラスで出来たドアを開くと、そこは観葉植物やお花、そしてテーブルと椅子などが置かれた休憩室のようになっており



奥の方に私の探していた人物はいた。



深みのある青い髪。憂いさを感じる横顔。それらが月光により美しく輝く。


「………………陛下」


驚かせないように少し離れたところから声をかけた後に近寄ってみると、陛下はその声が誰のものか分かったのか、


直ぐに私の方へ振り返った。


「余の側を離れどこに行ってたんだ」


若干黒いものを陛下から感じる……………。


「…………挨拶に時間が掛かりそうだと思ったので、近くの立食所へ行ってましたが……」


「そうか………」


もしかして………怒ってる……の?


いや、怒られる理由分かんないんだけど……。



何かしたっけ?



「あの…………」


「余から離れるのではないぞ」


「え?」


「また危ない目に会ったとき、守れぬではないか」