「……そうなのか。変わったものが好きなのだな」
発酵というのは簡単に言えば腐らせるという事なので、余り宮殿では腐らせた豆などは使わない為、
陛下が口にする事も知ることもなかったのだろう。
他の女と比べて変わったやつだと、
陛下は思ったに違いない。
………………と思っていたが、私を見る目は変なものを見る目ではなく
案外優しい目だった。
「会ったときから思ったが、お主は実に変わっておる。それでいて面白く、中々飽きないのだ」
「そ、そうですか………………?」
何が面白いのかさっぱり分からないが、飽きないのはちょっと困る。
そろそろメイドとして戻りたいのだけど…………!



