暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】





「……そうなのか。変わったものが好きなのだな」


発酵というのは簡単に言えば腐らせるという事なので、余り宮殿では腐らせた豆などは使わない為、



陛下が口にする事も知ることもなかったのだろう。


他の女と比べて変わったやつだと、



陛下は思ったに違いない。




………………と思っていたが、私を見る目は変なものを見る目ではなく


案外優しい目だった。




「会ったときから思ったが、お主は実に変わっておる。それでいて面白く、中々飽きないのだ」


「そ、そうですか………………?」


何が面白いのかさっぱり分からないが、飽きないのはちょっと困る。



そろそろメイドとして戻りたいのだけど…………!