「教えてあげる。ほんとのキスってやつ」 「へ?」 熱のせいか、悠君の瞳が甘く潤んでいる。 「キスだけで収まるかな?」 「うぇ?」 「冗談だよ」 頬に指先が伸びて、 熱い唇が言葉をふさいだ。 ほんとだ。 悠君のキスは甘くて優しい。 私の猪突猛進型と全然違う。 身体が熱くなる。 もうすでに、風邪移ってるのかな。 「あーあ。熱出しても知らないからね?」 「いいもん、これでいいんだもん」 そう言ったら悠君はぎゅっと抱きついてきた。