「……悠君のバカ」
今日はクリスマスイブ。
きっとみんな大切な人に
「愛してるよ」「すきだよ」って伝えたくなる特別な日。
私を大事に思ってくれてるのは充分すぎるくらい伝わってる。でも胸のなかは、理屈じゃどうにもならない気持ちであふれかえってて苦しい。
「沙羅に嫌われたら俺生きてけないじゃん」
うつむいて泣いてたら、熱い手が優しく顎の辺りに触れた。
「どんだけ俺のこと困らせるの?」
「うぅ……だって」
目と目が合うと、悠君のことが好きで好きで変になりそうになった。
「もう。しょーがないなぁ」
言葉とは裏腹に優しく涙を拭いてくれるなんて、悠君はものすごく意地悪だ。



