「バカっっ、何すんだよ!?」



悠君の顔は真っ赤だった。
熱が上がってきたのかも。
口元を手の甲で押さえてる。



「私に風邪がうつるまでキスする」



「いや、こんなのキスのうちに入んないし。もう俺上いくから」



こっちにくるりと背中を向けてしまう。



「ひどいよその言い方」



ほんとはものすごく勇気ふりしぼったんだよ?



「いや、だからさ」



「そばにいたいだけなのに」



「弱ってるときにそれは反則でしょ?」



悠君に頭をぽんぽんされて、予告もなく涙がすとんと落ちた。