イルミネーションで彩られた大通りを、なぜか人波に逆らって歩いた。
いったいどこに向かってるんだろう?



そこに向かう途中で「たいしたことじゃないんだけどさ」って悠君は迷子の話をし始めた。



結果から言ってしまうと、あの子はどうやら当麻君の招待客(の子供)だったらしい。



アメリカ人。
それも英語しか話せない5歳児。



ママやパパやおそらくはベビーシッターや飼い犬。いろんな人の名前を呼びながら泣きじゃくる声は、英語圏の喧騒に慣れた悠君の耳には、やけに目立って気になったんだって。



その子を運営局側に引き渡す途中で、いろいろ手間取って(落とし物探したり、迷ったり……のことだと推測)



やっとそこへ届けたら、向こうは向こうで捜索願いを出す一歩手前だったほど心配していて、やたらと感謝されたとか。