「あげる」
「えっ?」
「だからあげる。みんなで写真の撮りっこしてね」
悠君のあっけらかんとしたセリフに対して、ファンの子は驚きすぎてフリーズした。
私はといえば
想定外の展開に声が出せない。
同時にカラーボールをあげると言われた女の子の周りがざわつき始めた。
「悠君、何言って……えぇぇ!?」
やっと声出た、声!
「これでよし、沙羅行こ?」
悠君はうろたえてる私の手をしっかり掴んで引っ張った。
「うわっ!」
「あっごめんっ!」
もたついてよろけた私の肩をしっかり抱き止めてくれたけど……そんなことよりも。