『一緒に撮ってもらえませんか?』



そのうちそんな声が飛び交って
撮影会が始まってしまうんじゃないか。



そんなことを考えたら
急に心細くなった。



だから悠君を囲む輪から離れようと少しずつそっと。さっきから後退りしていた。



「よかったら、一緒に写真とってもらえませんか?あの……最終日だし、記念に」



恥じらうような、小さな声。
やっぱり。ほら。
想像どおりじゃん。



それくらいの台詞は予想してた。
だけど実際耳にしたら心臓がどくん。と音を立てた。



頭に血がのぼって
思考がぼんやりするほどに。



『写真とってくださいよ』
『次、私も!』
なんてみんなのスマホをとっかえひっかえする係になるのだけはいやだ。



「あの……いいですか?」



女の子が確認をとるように悠君を見上げてそう言った。
悠君はそれに対して、にっこり笑ってこう答えた。