はじめそのおねだりは
「触っていいですか?」
くらいの可愛いものだった。



でもそれは次第に「記念にいいですか?」と、写真を撮らせて欲しいという願望に変わってった。



「どうぞ。別にいいよね?」



「うん。全然いいと思う」



しあわせも興奮も
みんなで分かち合おう。



実際すごく楽しかったし
当麻君は圧倒的に輝いていた。



それにこれは
ここにいる誰もがうらやむかなりのレアもの。



ただ、SNSの件のことを考えると早くこの場を離れてしまいかった。このなかに、呟いてた本人やそれを追ってた人がいるんだもん。



悠君の隣にいる私はどんなふうに見られているのか……気にならないと言ったら嘘だ。



女の子たちがソワソワし始めたことに気づいて、ほんとは内心焦っていた。



この子達が【見たい。知りたい】と、そう思っているのはきっとカラーボールだけじゃない。



恥ずかしそうな仕草や表情で
それがこっちにちゃんと伝わってくる。