「よし。ふたつ並べて目立つところに飾ろう!」
「え~恥ずかしいから少しは離そうよ」
「縁起でもないこと言うなっ!」
だってバカップル丸出しじゃない?
鈴なりに提げられている参拝客の絵馬には
【○○大学△△学部、絶対合格!】
【家族みんなが1年怪我なく健康に過ごせますように】
なんてことが書いてあるのに。
「ほんとは俺と片時も離れたくないはず!」
「そうでもないよ~?」
嘘だよ。照れ隠しの大嘘。
「それちょー可愛くない!」
「そういう子を好きになった悠君が悪いと思うなぁ」
「いいもん。もっと夢中にさせてやるから」
悠君は不機嫌そうにそう言って、絵馬をいちばん目立つ場所にふたつとも飾ってしまった。
ほどくことができないくらい、固く固く結んで。
「強行突破してみた」
「それはズルい!」
「なんとでも言えば~?」
「でもこれでうちのクラスに悠君が来たら感動しちゃうかも」
「ほんと。神様はいるって信じるよ」
絵馬もペンもなくなって、空いてしまった手のやり場に困った。冷たい指先を、落ち着きなくにぎにぎ。
そんな私の様子を見ていたのか
「手を繋ぎたいって、ちゃんと言えるようになろうね?」
意地悪く笑った悠君が
そっと私の手を取ってくれた。



