ちょっと並んで順番が来て
お賽銭を入れてガラガラを鳴らして
二礼二拍。
目を閉じて、無心になって
悠君の隣で心から、強く願う。
大学合格を願うつもりだったけど、やっぱりやめた。それより切実な望みがあるから、それを神様につぶやいてみた。
ちゃんと届くかな?
叶ってほしい。
いや、叶えたい。
ちらりと見上げたら悠君もやけに真剣な横顔だった。なかなかつぶった目を開けない。
悠君の願い事ってなんだろう。
ふと複雑な気持ちになる。
神頼みしなきゃいけないほどの無理難題をお父さんにつきつけられたりしてないよね?
希望校の希望学部に入れなかったら強制帰国とか、ないよね?
ダメだぁ~!
ネガティブな自分が顔を出す。
すぐ不安になるこの癖からもう卒業しなきゃ、悠君のカノジョなんてやってけないのに。
「何お願いしたの?って聞いちゃだめか」
一礼をすませた悠君とやっと目があった。
「まだ内緒。絵馬に書いたらどうせみんなにバレちゃうしね」
いいんだ。
誰に笑われてもいい。
今神様に願ったことをちゃんと文字にしようって、悠君の笑顔を見たら決心がついた。



