「…思い出の場所?」
「うん。
2人が初めて出会った場所とかさ…」
思い出の場所…
俺と結衣が初めて出会った…
「棗のくせに、いい案出すじゃねぇか。」
なぜか棗に対して上から目線な雄大は、スナック菓子をつまみながらこちらを見た。
「そういえば、お前らの出会いって…」
「…脇道。」
雄大の問いかけを遮るように言った。
脇道で倒れていた俺に、結衣が傘を差し出した。
そこで俺が一目惚れして…
小さく呟かれた俺の言葉の後に、なぜかしばらく沈黙が流れる。
「…脇道でプロポーズ…ムードねぇな。」
「そうだよね、さすがに脇道は…
でも、二人が再会した場所も裏路地だし…」
…そうだったな。
裏路地で襲われてる女がいると思ったら、それがずっと探し続けていた彼女で…
何も説明せずに彼女を車に乗せたから、最初は誘拐犯だと勘違いされたんだよな。
懐かしむ俺の横で、棗は首を捻る。



