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「もう、お父さんってば…やりすぎ。」
病院に搬送されて一通りの検査などを終えたあと、結衣は病室に移された。
しかも、VIPルーム。
結衣が倒れて病院に搬送された旨を彼女の両親に伝えると、すぐにこの部屋が手配された。
この病室に移されてすぐに結衣も意識を取り戻して…
とりあえずは一安心。
今は二人で医師の診断を待っているところだ。
「…もう体は大丈夫か?」
「うん。
まだちょっと体が重いけど…大丈夫。」
「よかった…」
彼女の存在を確かめるように、手をぎゅっと握る。
一瞬でも、彼女を失う想像をしてしまった自分が情けない。



