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禅side
家を飛び出して、俺は近所のドラッグストアに駆け込んだ。
あの色気より食い気の結衣が、食事できないなんてただ事では無い。
昨日の夜、散々彼女を抱き潰してしまったことを心の中で何度も反省した。
俺は買い物かごの中にゼリーとプリン、スポーツドリンクと、風邪薬と胃薬を放り込んで急いでレジに向かう。
「レシートはどうなさいますかぁ?」
「大丈夫です。」
「こちら、382円のお釣りです〜。」
「どうも。」
お釣りを渡すだけのことでやたらと俺の手に触れようとする店員の手を振り払って、急いで来た道をもどる。
触んじゃねぇよ、クソが。
こっちは嫁の一大事で、お前と戯れてる暇なんてねぇんだよ。



