「わかった。すぐ帰るね。」
『おー、気をつけてな。
それまでには泣き止ませとく。』
「うん。ありがとう。」
お礼を言って、通話終了のボタンを押す。
「琉星、寂しがってるって?」
私の隣で会話を聞いていた禅くんはそう言って、アウターを手に取りながら立ち上がる。
「うん。泣いちゃったみたい。
…ということで、そろそろ双子を迎えに行かないといけないから先に帰るね?」
私がみんなに手を振ると、家主である凛華が立ち上がる。
「結衣。…禅さんも。
今度は星乃ちゃんと琉星くんも連れて遊びに来てくださいね。」
「うん!そうする!!
お邪魔しました!」
「禅、結衣ちゃん。またね。」
「今度双子にも会わせてな。」
みんなに見送られながら、袴田夫妻宅を後にした。



