〝一体いつの話だろう?〟と首を傾げて旦那様の方を見ると、彼は笑って
「…俺の理性に感謝しろよ。」
とだけ言った。
「実は結衣が間違えて酒飲んでさ───…」
「あははっ!!
何それ!ウケる!!」
こうして今、みんなで昔話をできているなんて…あの頃は思いもしなかった。
大好きな親友。
かけがえのない仲間。
いつでも私の味方でいてくる兄と弟。
…そして、誰よりも愛おしい貴方。
あの頃は、〝何を手に入れて何を手放すか〟そんなことで必死だった。
…だけど、そうじゃないんだよね。
どれも私の人生の中でかけがえのないものだから。
何も壊さないように、手放さないように…
両手を目一杯広げて守り抜くんだ。



