「…まあ、でも…
理玖と禅が今みたいに〝良い父親〟やってんのは、何となく想像できたんだよな。」
高校時代を思い出しながらしみじみとそう言う昴兄に、棗くんは大きく頷く。
「…うん、たしかに。
理玖は元々の雰囲気がそんな感じだし…
禅は…出会った頃からの結衣ちゃんへの溺愛っぷりを見てたら、今の姿も想像できるというか…」
棗くんの言葉に、禅くんはなんだか少し恥ずかしそう。
「うるせぇ。」と短く言う横顔は、ほんのりと赤い気がした。
しかしそんな彼に追い打ちをかけるように、エリちゃんが彼女しか知らない暴露話を始める。



