「お前と一緒にすんな。
─────…毎晩なんてしねぇよ。」
私の隣で、〝結衣の身体に負担がかかる〟と呟く禅くん。
いやいや、禅さん。
その言葉はもちろん嬉しいですけど…
…論点そこじゃないからね!?
彼の少しズレたその発言に、周りからは案の定冷やかしの声が飛ぶ。
「高校の時から変わんないよね、禅と結衣ちゃんのラブラブっぷりは(笑)」
「見てるこっちがむず痒くなるわ。」
懐かしそうに微笑む棗くんと、顔を顰めて腕を摩る雄大。
「てゆーか、禅さんは結衣と出会ってからめちゃくちゃ丸くなりましたよね!
…昔は色んなおんな──────…」
「─────…賢。」
酔っ払って饒舌になった賢ちゃんを、横からりっくんが無言の圧で制する。
うん。賢ちゃんが言いかけたことは、聞かなかったことにしよう。
私と出会う前の話だしね…



