「パパ!

いまね、おにごっこしてたの!」






「パパがオニ!」









帰ってきたばかりの禅くんのズボンを引っ張る双子。








「だーめ!

はやくお着替えしないと、おじいちゃん家に連れていかないよー?」








私がそう言うと、双子は慌てて洋服の元へと走る。




禅くんの実家は月島組で、彼自身も月島組の次期組長だ。

本来なら、私たち家族も月島組本家に住むはずだったんだけど…




〝子供たちには、できるだけ普通に育って欲しい〟という私たち二人の強い希望もあって、月島組と唐沢組の中間地点にある一軒家で私たちは暮らしている。