「ほーら、捕まえた!」










弟の琉星をぎゅっと捕まえると、彼はキャッキャと嬉しそうに笑う。




はぁ…

可愛い。癒し。



なんて和んでいる時間は私にはなくて…

琉星を抱っこしたまま、星乃を捕まえないと…




琉星を抱えて立ち上がったその時…

絶妙なタイミングで、リビングの扉が開いた。










「あー!ナイスタイミング!

禅くん、星乃を捕まえて!」







私の言葉に一瞬驚きつつも、禅くんは駆け寄る星乃をそのまま抱き上げる。









「パパー!おかいり!」






「ん。ただいま。

星乃、琉星。いい子にしてたか?」







「「うん!!」」








愛おしそうに双子を見つめる禅くんの顔は、完全に〝父親〟の顔で…

そんな姿にでさえもキュンとしてしまう私は、もう重症だ。