「さっき、佑に泣かされたんだよね。」 「あとでシメとくか。」 私が冗談っぽく言うと、彼も笑った。 少しの間、沈黙が流れる。 お互いにただじっと見つめ合って… 「…結衣。」 低く少しだけ掠れた声が私の名前を呼ぶ。 「白無垢、似合ってる。」 そう微笑んだ彼の瞳がすごく優しくて… 何故だか鼻の奥が熱くなった。 「ウェディングドレスも捨て難かったけど… 禅くんの和装姿が見れたから、大満足!」 潤む瞳を誤魔化しながら、私は笑う。