佑side







着物の襟を正して、小さく深呼吸をする。

「開けるぞ?」と尋ねる兄貴に頷くと、ゆっくりと襖が開かれた。








「あ、昴兄。佑。」







その部屋の真ん中には、白無垢姿で微笑む彼女がいた。


結った長い髪と、真っ赤な口紅。

いつも以上に美しい彼女に、思わず見惚れる。











「…結衣、結婚おめでとう。」





「ありがとう、昴兄。」








兄貴の言葉に、頬を赤らめて嬉しそうに笑う彼女。

その姿があまりにも綺麗で、俺は目に焼き付けるように彼女を見つめた。