「…は!?」
私の思わぬ行動に珍しく動揺した彼は、慌てて私を引き離した。
口元を手で覆い隠す彼だけど、ほんのり赤くなった頬は隠しきれてなくて…
「おやおや?
禅さん、顔が真っ赤ですよ?」
彼の反応が新鮮で嬉しくて…
ニヤニヤと笑う私に、彼は小さく舌打ちをする。
「…夕日だろ?」
悔しそうに目線を逸らしてそう言う彼が、なんだか可愛くて…
「禅くん、かわいい……」
つい口に出してしまっていた。
本当に、いつまで経っても私のこの癖は治らないようだ。
…まずい、と思った時にはもう遅い。
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