そんな会話をしながら、お互いの涙を拭いあって笑う2人を、俺たちはただ見つめる。



隣の昴は、完全に兄の顔で…








…俺は、正直少し嫉妬した。

佑と結衣には、お互いを完全に信頼しきったような独特な雰囲気があった。



信頼し合っているのなんて、姉弟なら当たり前だ。

実際に、昴と結衣が抱き合う所をさっき見たばかりだが、全く嫉妬心は湧かなかった。




なぜ佑にだけ嫉妬したのかは分からないが、こんな気持ちを表に出せる訳もなく…





“ ふたりはただの姉弟 ”

そう自分に言い聞かせることで、この醜い気持ちを無理矢理消し去った。