プープーという無機質な機械音を数回聞くと、今度は棗と雄大に連絡を入れた。
結衣の無事を知るなり、棗は安堵のため息を吐き、雄大は電話口の向こうからすすり泣く声が聞こえた。
雄大はこの1ヶ月間、ずっと自分を責め続けていた。
“自分を庇ったせいで結衣が…”と。
俺が何度“雄大のせいじゃない”と言っても、あいつの表情は一向に晴れなかった。
結衣が戻ってきてくれて、本当に良かった。
なぁ、結衣。
どれだけ多くの人間がお前の帰りを待っていたか、知らないだろ?
覇王も龍王も、唐沢組もお前の家族も…
そしてもちろん俺も…
この1ヶ月間、お前の無事だけを願ってた。



