「唐沢さん、調子はどうですか?」 医師による諸々の診察が始まったのを見届けて、俺はすぐに病室出た。 そして、先程別れたばかりの昴に電話をかける。 しばらく接続音が続いたあと、やっと電話に出た昴。 『もしもし、禅? …何かあった?』 電話口から車の音が聞こえることから考えると、恐らくどこかに停車して通話をしているんだろう。 「今さっき、結衣が目を覚ました。」 『…──本当か!? 佑とすぐにそっちに戻る!』 それだけ言うと、すぐにプツリと電話を切られる。