This Is Love Story














「え…?」










彼女の指がかすかに動いて…

弱々しくも、たしかに俺の手を握り返していた。









「…結衣!?結衣!」







指が動くことくらい、今までにも何度かあった。

…だけど今回は、何かが違う気がするんだ。


俺はこの機会を逃すまいと、必死で彼女に声をかける。








「結衣!」







俺の呼び掛けに、彼女の長いまつ毛が微かに揺れた気がした。








「結衣、起きろ!」







お願いだから…。



俺の頬に涙が伝い、一粒の滴が彼女の顔に落ちた時…

弱々しく、ゆっくりと色素の薄い彼女の瞳が露になった。