たくさん傷つけて、苦しめて…
いっぱい泣かせて…
もう二度と悲しい思いなんてさせない。
これから先、俺のすべてをかけてお前を幸せにするって決めたんだ。
だから…
お願いだから…
「─────戻ってきてくれ…。」
切なる願いが、静かな病室に消える。
冬の冷たい風と、彼女に繋がれた機械の無機質な音だけが聞こえて…
この1ヶ月間、どんなに願っても彼女が目を覚ますことは無かった。
目を見て話したい。
彼女の声が聞きたい。
そんな風に願って待つことしか出来ない自分が不甲斐なくて…
彼女の手を握る力を少しだけ強めたその時…



