佑は元々こういう奴ではあるけど… 和解を理由に覇王と龍王の距離が少しずつ縮まる一方で、俺と佑の距離は思うように縮まらない。 以前はもっと、兄のように慕ってくれていたはずなのに… 仲違いする前と比べると、明らかに壁を感じるというか… …まぁ、無理もないか。 昔から唐沢兄弟の…特に佑のシスコン具合は有名だった。 そんな佑にとってかけがえのない姉を、俺が奪ってしまったのだから… 「…あ、佑。 そろそろ帰ろう。」 何かを思い出したように言う昴に、佑は不満そうな顔をする。