「あー、そのピアスね。 佑がさっきつけてあげてたよ。」 「…佑が?」 その事実に驚いて佑の方を見ると、佑はすぐにそっぽを向く。 そんな弟の代わりに、兄の昴が笑って言う。 「結衣、ずっとそのピアスを大事にしてたからね。 …身につけさせてあげたかったんだって。」 昴のその言葉にバツの悪そうな顔をする佑の様子を見ると、それがこいつの本心であるとわかる。 「ありがとう、佑。」 「別に。 あんたのためじゃなくて、結衣のためだ。」 ツンとした態度で言う佑に、俺は苦笑いをする。