私はとりあえず今の状況を把握すべく、 辺りをゆっくりと見渡す。
見慣れないコンクリートの部屋。
オレンジ色の夕日が部屋を照らす。
頑丈そうな鉄の扉と、とても小さな窓が二つ。
そして隅にテーブルが一つ置いてあるだけのとても殺風景な部屋だった。
おそらく、私はアイツらに連れ去られた。
手足は縛られていないけど…
ドアは外からロックされていて開かない。
そしてポケットに入れていたはずのスマホも
見当たらない。
郷田が言うには、奴らの狙いは覇王と龍王を潰すこと。
…ということは、私を囮にしてみんなを誘き出す…?
二つの族を同時に潰そうと考えるのなら、奴らにも何か作戦があるはず…
覇王と龍王をまとめて相手にしても、勝算を持てるはずの何かが…



