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夢を見ていた。


真っ白なウエディングドレスを纏った私は、隣に立つ愛しい彼と微笑み合う。




昴兄も、佑も……棗くんも、雄大も…
みんな笑っていた。

敵対心も今までの確執もなく、ただみんなで幸せそうに笑いあっていた。















「……んっ……ぃ…たぁ…」










微かな眩しさに、目が眩む。

目を開けて一番最初に視界に入ったのは、古びたコンクリートの天井だった。




そうだ…私、頭を殴られて…

ズキンと痛む頭に手を当てると、ぬるりと生暖かいものを感じる。




……血だ…。

もうほとんど出血はないみたいだけど…




この固まっていない血を見る限り、そこまでの時間は経過していなさそうだ。