スカートのポケットからスマホを取り出そうとしたその時…
視界の隅に、戦う雄大の姿が写った。
アスファルトに倒れた三人の男。
既にボロボロになった雄大は、残りの二人と熾烈な攻防を繰り広げていた。
立っている二人は、きっと幹部クラス。
1対1で戦っても厳しい相手。
それを同時に二人相手にするとなると、雄大は今相当集中しているはず…
だから気づいていなかったんだ…
背後に近づく、鉄パイプを持った男の気配に…
先程まで地べたに這いつくばっていた男は、
フラフラと雄大に接近して行く。
「雄大!!危ないッ────!!」
咄嗟に体が動いていた。
雄大を押しのけて、鉄パイプを振りかぶる男の前に出る。



