「誰だよ…〝サダ サダオ〟って…っ…
〝野比の○太〟みたいなノリで言うなよ。」
どうやらツボにはまったらしく、未だに雄大は笑い続ける。
その目尻には、薄らと涙も浮かんでいて…
え、うそ!名前間違ってた!?
貞雄じゃなかったっけ!?
うわー…人の名前間違えるとか、一番ダメなやつじゃん…
さすがに申し訳なくて、もう一度彼の方を丁寧に向き直すと…
どす黒い笑顔を浮かべた貞雄(仮)。
こめかみには青筋が浮かび上がっていて…
…ひぃぃぃいいい!!
おおおおおお怒ってらっしゃる!!
「誰が佐田貞雄だって…?」
「ごめんなさい…。私、記憶力が乏しくて…
…もう一度名前教えていただけますか?」
私、なんでこの人に対してこんなにも下手に出ているんだろう…?



