「…戻るよ。いつか絶対。」
今すぐではなくても、いつか必ず…
将来一緒に年を重ねて、家庭を作って…
その時、隣にいるのは禅くんがいい。
「そうか。」
そう言った雄大の横顔は、なんだか少し嬉しそうだった。
そんな雄大に、私も微笑む。
雄大、私ね…
もちろん禅くんの隣にも戻りたいけど、それだけじゃないんだよ?
雄大や棗くんとも、また笑い合いたい。
そして…───────
「─────うーわー…純愛〜。」
「!?」
───────ゾクッ…
突然耳元で囁かれた声に、私の背筋は凍った。
今…気配が全くなかった…?
こんなに近くにいるのに、声が発せられるまで気づかなかった。
私と雄大は、一気に警戒心を強めて、背後の人間に拳を向ける。



