〝雰囲気が変わった〟か…
私と別れたあと、禅くんがどんな風に過ごしていたか、私は知らない。
きっとそれは私が聞いていいことではないんだろうけど…
病院やこの間のお見合いで彼に抱き締められた時、ひそかにタバコの香りがした。
付き合っていた時、私のためにやめてくれたタバコ。
…また、吸い始めたんだよね…
喧嘩はしてなかったかな…?
怪我はしなかったかな…?
気になることはたくさんあるけど…
彼を傷つけたのは私。
…いや、彼だけじゃない。
きっと雄大や棗くんの事も傷つけたよね…
「…禅のところには、もう戻んねぇの?」
「え…?」
雄大は、私に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、そう言った。



