「───…2年前のあの日…
昴兄を襲ったのは禅くんなの?」
ずっと聞きたくても聞けなかった。
もちろん禅くんはそんなことをするような人じゃないって信じてる。
だけどもし…
もし「そうだ」って言われたら…
自分の愛した人が、大切な兄に危害を加えていたとしたら…
その事実を知った時、私はきっと壊れてしまう。
だから、確かめるのが怖かったの…
震える手をギュッと握りしめる私に、彼は堂々とした態度で答えた。
「…覇王に危害を加えたことなんてねぇよ。」
そして私を真っ直ぐ見つめる彼の瞳に、嘘や偽りなんてものはなかった。
「よ…よかったぁ〜……」
極度の安心で全身の力が抜けた私は、その場にへなへなとしゃがみこむ。
よかった…
あの時の昴兄の怪我は、禅くん達のせいじゃなかった…



