いけないことだってわかってる。 だけど今はどうしても、彼の腕に抱かれていたくて… 私が彼の胸にそっと擦り寄ると、彼の腕は優しく、力強く私を抱き締めた。 ふわりと香るあの懐かしい香り。 「禅くん…っ…… …本当は、ずっと会いたかった。」 「あぁ。…わかってる。」 泣きじゃくる私を、彼は優しく包み込んだ。 彼の力強い腕も、少し冷たい大きな手も… 何もかもが懐かしくて愛おしい。 好き…大好き… 愛してる。 出来ることなら、永遠にこの腕に包まれていたい。 …ずっとあなたのそばに居たい。