私はズボンの腰のゴムをキュッと縛って、裾を捲ると、部屋を出た。
「あ、結衣ちゃん。着替えた?
制服、ちょっと貸してもらえる?」
「はい。」
朝比奈さんは私から制服を受け取ると、部屋のドアの前にいた知らない男に渡す。
「制服、すぐ綺麗にするからね。」
「あ、ありがとうございます。」
にこっと微笑んでから、朝比奈さんはソファに座った。
「結衣ちゃんも座りな。」
そう言われても…。
私はどこに座ればいいんだろう…。
長いソファーに一人で横たわるコーラ男。
月島さんと朝比奈さんは、向かいあわせで置いてある長いソファにひとりずつ座っていた。
空いてるのは、朝比奈さんの隣と、月島さんの隣。
もちろん私は朝比奈さんの隣に向かう。
特に理由はないんだけど、朝比奈さんは優しいお兄ちゃんみたいでなんだか落ち着く。



