佑の腕を引いて廊下を進む私に、組員たちはざわめき始める。
「おい、なんだよ。」
しばらく歩くと、佑は私の腕を勢い良く振りほどいた。
「〝なんだよ〟じゃない!
状況を考えなよ!?」
気持ちは理解できなくもないけど、普通あの場所では抑えるでしょ!?
…きっと今、昴兄が一生懸命あの場をなだめているはず。
任せ切りにするのも申し訳ないし、出来るだけ早く戻らないと…
「お前の見合い相手が月島なんて…
平然としてられるわけねぇだろ!?
あんな婚約…俺は認めねぇからな!?」
今にも喧嘩が勃発しそうな私たちに、組員達はあからさまにオロオロしはじめる。



