黒と白を基調とした生地に、真っ赤な椿の柄が映える着物。

低い位置で束ねた髪の毛にも、真っ赤な椿の髪飾りを挿す。








「わぁ、すごく綺麗よ。結衣。」





「へへ…なんか照れるな。」







私と同じく、品のある黒い着物に身を包んだ
お母さんは嬉しそうに笑う。









「結衣、似合ってるよ。」




「馬子にも衣装だな。」








優しく笑う昴兄と、いつもの如く憎たらしい顔で言う佑。

二人も今日は正装で、袴姿だ。




私たちだけじゃない。

周りの組員達も、唐沢組組長であるお父さんも、今日は正装。