「───…二人にとって、私は何?」
やっぱり…あの事だよな。
想定内の質問。
だけど、俺が一番聞かれたくなかった事だ。
「────…たった一人の大切な妹だよ。」
言葉につまる俺の隣で、兄貴は堂々と即答する。
「結衣が家に来たあの日からずっと…かけがえのない俺の家族だ。
もちろん、これからもずっと…」
兄貴の言葉、表情には偽りなんてひとつもなくて…
結衣もそれがわかったんだろう。
真剣な顔の中にも、微かに安心したような表情を見せる。
俺は、上手く答えられるだろうか…
12年間誰よりも一番近くにいた結衣を、騙すことなんてできるのだろうか…



