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シンと静まり返った総長室。
中央の2人がけのソファに俺と兄貴が、その隣の一人がけのソファに結衣が座った。
俺と兄貴はただ、結衣の口が開かれる瞬間をじっと待つ。
しばらく下を向いていた結衣は、一つ大きく息を吐いて、真っ直ぐにこちらを見据えた。
「昴兄、佑。
心の準備はもうできてるから…正直に答えてね?」
「あぁ。」
今まで、俺たち三人の間にこんなにも重苦しい空気が流れる事があっただろうか。
たった数秒間の沈黙が、とても長いように感じられる。
張り詰める緊張感の中で、自分の心臓の音だけが鳴り響いていた。



