「ダメだよ!
昴兄にも話があるんだから!」
結衣は兄貴の腕に自分の腕を絡めて、強制的に2階へ引っ張っていく。
「結衣…
そんなに引っ張らなくても逃げないから。」
「絶対だよ?話が終わるまでここにいてよ?
…そんで、帰りは昴兄の後ろに乗せてね?」
「おい、俺じゃ不満なのかよ?」
「いや、不満じゃないよ?
……ただ、まだ死にたくないの。」
「しばくぞ。」
そんな風に笑い合う。
大丈夫。
いつも通りだ。
俺も結衣も、いつもと変わらない。
ただの仲良し姉弟だ。
一人でこっそりと安堵の溜息を零す。
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